高脂血症と牛乳

高脂血症は血液中の脂質が多くなり過ぎた状態をいいます。血液中の脂質には、コレステロール、リン脂質、中性脂肪(トリグリセリド)、遊離脂肪酸の4種類があり、主なものはコレステロールと中性脂肪です。コレステロールと中性脂肪の両方、またはどちらかが高くなりすぎると高脂血症となります。

牛乳の摂取と血清コレステロール値の関係について、これまで循環器や脂質代謝の専門医から多くの試験報告が出されています。それらの試験報告によると、健康人が1日600ml程度までの牛乳を毎日摂取した場合、最初の2〜3週間は血清コレステロール値が若干上昇するものの、その後は減少傾向を示し、やがて試験開始時の値に戻ることが、どの試験でも確認されています。また高脂血症の患者に対して行われた試験でも、同様の結果が得られています。

牛乳にはコレステロールの合有量は少ないが、飽和脂肪が多いために、従来牛乳飲用は血漿コレステロールを上昇させるという考え方が一般的であった。しかし一方、牛乳中には血漿コレステロールを低下させる物質が含まれて居り、牛乳摂取によって血漿コレステロールはむしろ低下するとの成績も見られ、牛乳摂取の血疑コレステロール濃度に対する影響についてはなお問題が残されていた。そこで我々は、19歳の健康女性〔寮生活を行っている東京逓信病院看護学院生徒〕の協力を得てrandomized controlled studiesを行ない、1日400mlの全乳の摂取では、長期的(8週以上)には血漿コレステロールには何等影響を与えないことを見出した。短期的に見られた血漿コレステロールの軽度の上昇は、牛乳摂取に伴った過剰カロリーによるというよりは、牛乳中の脂肪によると考えられた。また牛乳中に特に血漿コレステロールを低下させる物質の存在は見出すことはできなかった。

それで、牛乳を健康のために毎日飲んでいるという人も多いかと思いますが、実は牛乳やヨーグルトなどの乳製品はコレステロールがとても多く含まれているので、中性脂肪やコレステロールが高い人は、飲んではいけません。牛乳はカルシウムなどの補給のためには良い飲料なので、体に良いところも多いのですが、カロリーが高くコレステロールをとても多く含んでいますので、やはり毎日飲むことはお奨めできません。コレステロールは悪者扱いされていますが、人間の身体にとって欠かせない生体構成成分で、表に示すような大事な働きがあります。また、血清コレステロール値が低値になると、うつ病やがんの危険因子となるだけでなく、高齢者の寿命にも影響しているといわれています。